アルバムに貼られたまま色あせていく写真。段ボールに詰まったままの社史用の記録写真。写真は紙よりも劣化が早く、一度失われた色は戻りません。
しかも、アルバムから剥がそうとすると台紙に貼り付いて破れる。枚数が多すぎて自分でスキャンする気力が続かない。そんな理由で手つかずになっているケースは少なくありません。
本稿では、バラ写真やアルバムの写真を電子化する方法と、料金の目安、依頼前に整理しておくことを解説します。
なぜ写真は早めに電子化すべきなのか
写真の劣化は、紙の書類とは違うスピードで進みます。気づいたときには手遅れになっていることが多い資料です。
色あせは元に戻せない
写真の印画紙は、光・熱・湿度によって退色します。とくに古いカラー写真は退色が進みやすく、赤みや青みに偏っていくことがあります。
退色した色は、スキャン後の補正である程度整えられます。しかし完全な復元はできません。まだ色が残っている段階でデータ化することが、唯一の対策になります。
アルバムの粘着が写真を傷める
台紙に粘着シートで貼るタイプのアルバムは、時間が経つと粘着剤が硬化します。剥がそうとすると写真の表面が台紙に貼り付き、無理に引っ張れば裂けます。
こうした状態の写真は、剥がす作業そのものにリスクがあります。専門的な扱いが必要になる領域です。
枚数が多いほど自力では続かない
家庭用スキャナーで写真を1枚ずつ取り込むと、1枚あたり数十秒かかります。数百枚あれば数時間、数千枚なら現実的な作業量ではありません。
途中で止まってしまうと、結局「箱に戻す」ことになります。まとめて外注する方が、確実に完了します。
電子化した写真は何に使えるのか
写真の電子化は、単なる保存ではありません。使える形に変わることで、活用の幅が広がります。
法人での活用
企業では、社史編纂、周年記念誌、広報素材、採用パンフレットなどに過去の写真が必要になります。紙のままでは探せず、使えません。
データ化して検索できる状態にしておけば、必要な場面ですぐ取り出せます。工事記録や施工写真も、後の保全業務で参照される資料です。
個人・家庭での活用
家族写真は、データ化すれば家族間で共有できます。1枚の原本を回覧する必要がなくなり、遠方の家族にも渡せます。
原本が災害や経年劣化で失われても、データが残っていれば写真そのものは失われません。
写真の電子化にかかる料金の目安
写真の電子化は、サイズと仕上げ方によって料金が変わります。当社の料金を例に、目安をご紹介します。
通常スキャンの料金
バラ写真の通常スキャン(600dpi)は、L版1枚60円、2L版100円、A3サイズまでで600円です。A3サイズは11枚目より半額になります。
データはフルカラーのPDF形式でお渡しします(JPGでの納品も可能です)。
ていねいスキャンという選択肢
写真専用の機材で、色調整とホコリ・傷の除去まで行う「ていねいスキャン」もご用意しています。600dpiでL版200円、2L版400円です。
さらに高い解像度が必要な場合は1200dpiも選べます。この場合はL版400円、2L版800円になります。大切な写真や、拡大して使う予定がある写真に向いています。
まとまった枚数は割引になる
通常加工の2Lサイズまでで1,000枚を超える場合、またはていねいスキャンで100枚を超える場合は、お値引きの対象になります。
作業期間は基本10営業日、100枚あたり1営業日を加算した日数が目安です。
依頼前に整理しておくこと
事前の準備によって、料金と仕上がりが変わります。ひと手間かけておくと結果的に得になります。
同じサイズごとにまとめる
料金表の単価は、同じサイズの写真を揃えて送っていただいた場合の価格です。サイズが混在していると単価が変わります。
L版、2L版など、サイズごとに分けて輪ゴムなどでまとめておくと、単価を抑えられます。
ポケットアルバムは写真を抜き出しておく
横から写真を差し込むポケットタイプのアルバムは、あらかじめ写真を抜き出してまとめて送っていただくと、追加手数料がかかりません。
そのまま送ることも可能ですが、取り出し作業分の費用が発生します。抜き出せる状態なら、事前に済ませておくのがおすすめです。
順番を保ちたい場合は伝える
束ねてある写真は、可能な限り順番通りにデータ化します。ただしサイズ違いが混ざっている場合は、順番が変わることがあります。
時系列やイベント単位で順序を保ちたい場合は、その旨をお伝えください。分けて梱包しておくと確実です。
原本をどうするか決めておく
データ化後の原本は、ご指定がなければ当社で処分します。この場合、機密文書溶解処理として無料で対応します。
原本を返却してほしい場合は、返送手数料と送料が必要です。写真は思い出の品でもあるため、事前に方針を決めておくと安心です。
解像度はどう選べばよいか
解像度が高いほど精細になりますが、必ずしも高いほうが良いとは限りません。用途から逆算するのが現実的です。
閲覧・共有が目的なら600dpi
画面で見る、家族と共有する、記録として残すという用途なら600dpiで十分です。ファイルサイズも扱いやすく、枚数が多くても管理しやすくなります。
印刷や拡大に使うなら1200dpi
社史や記念誌に印刷する、パネルに拡大する、細部を確認したいといった用途では1200dpiが向いています。
ただしファイルサイズは大きくなります。全点を高解像度にするのではなく、重要な写真だけ1200dpiにするという使い分けも可能です。
写真ならではの注意点
写真は書類と違い、扱いに固有の注意点があります。
退色した写真は補正の限界がある
色調整で見やすくできますが、完全に元の色に戻すことはできません。退色が進んだ写真は、その状態が記録されることになります。
だからこそ「まだ色が残っているうち」に電子化する判断が重要です。
アルバムに固着した写真は無理に剥がさない
台紙に強く貼り付いた写真は、自力で剥がすと破損します。無理に作業せず、状態をお伝えいただいたうえでご相談ください。
>>裁断できない資料を原本のまま電子化する方法はこちらで解説しています。
ホコリと指紋は仕上がりに影響する
写真表面のホコリや指紋はスキャン画像に写り込みます。ていねいスキャンではこれらの除去を行いますが、通常スキャンでは残ることがあります。
仕上がりを重視する写真は、ていねいスキャンを選ぶか、事前に軽く清掃しておくと差が出ます。
まとめ
写真の退色は不可逆です。色が残っているうちにデータ化することが、唯一の保存策になります。
料金はサイズと仕上げ方で変わり、通常スキャンならL版60円から、色調整・ゴミ除去まで含むていねいスキャンは200円からが目安です。
依頼前にサイズごとにまとめ、ポケットアルバムから写真を抜き出しておくと、料金を抑えられます。原本を返却するか処分するかも、事前に決めておくとスムーズです。
スキャンプロでは、バラ写真1枚から数千枚規模まで対応しています。まずは少量でお試しいただき、仕上がりをご確認いただくことも可能です。
>>大量の資料をまとめて電子化する方法はこちらで解説しています。